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防災倉庫とは?中身や備蓄量の目安、合わせて必要な災害対策紹介

防災倉庫とは、災害発生時に必要な生活必需品などを蓄えておく倉庫のことです。
近年では、従業員の安全を守るために企業ごとの設置が推奨されています。

しかし、防災倉庫の役割や備蓄すべき物品が分からない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、防災倉庫の概要から必要な理由、企業が設置する際のポイントなどを詳しく解説しています。
防災倉庫の設置を検討している企業様は、ぜひ参考にしてください。

防災倉庫とは?

防災倉庫とは、災害発生時に必要な物資や備品を備蓄しておく倉庫のことです。
防災備蓄倉庫や災害備蓄倉庫とも呼ばれ、住民や従業員の危機に対し、地域や企業が速やかに対応することを目的に設置されます。
市町村などの自治体が、公民館などの自治体所有施設や小中学校に設置しているものが、代表的な防災倉庫の例です。
しかし近年では、BCP対策の一環として一般企業でも設置が進んでいます。

防災倉庫が必要な理由

防災倉庫は震災や水害など、自然災害によってライフラインが寸断された際に備えて用意されます。
企業が個別で防災倉庫を設置する理由は、おもに以下が挙げられます。

  • 従業員の安全確保
  • 事業継続のため

災害発生時には、安全のために従業員が社内に留まるケースがあります。
その際、防災倉庫があれば食料や水、衣料品、防寒具などを迅速に供給可能です。

また、防災倉庫の用意は事業継続活動の役割も果たします。
災害発生時には、物流が途絶え、事業に必要な物資の確保が困難になることがあります。
防災倉庫に事業に必要な機材の予備などを確保しておけば、万が一の際も早急な事業復旧が可能です。

災害で事業が停止すると、経済的損失はもちろん、顧客や取引先からの信頼や企業の競争力の低下につながります。
日本では、企業での防災倉庫の設置は努力義務とされています。

しかし災害時に人命を守るために、法的義務の有無に関わらず、すべての企業が防災倉庫を用意することが大切です。
内閣府が発行する「大規模地震の発生に伴う帰宅困難者等対策のガイドライン」では、以下のような対策が重要である旨が示されています。

  • 安全を確認したうえで従業員を事業所内に留まらせる
  • 3日分の水や食料を備える

参考:大規模地震の発生に伴う 帰宅困難者等対策のガイドライン|内閣府

従業員の安全を守るためにも、万が一に備えて十分な備蓄を用意しておきましょう。

防災倉庫の中身

防災倉庫には、生命維持や生活に欠かせない物資を備蓄します。
具体的には、以下のような物資です。

カテゴリー 備蓄品の例
食品 アルファ化米、ビスケット、カップ麺、レトルト食品、粉ミルク、ベビーフード
飲料水、生活用水
簡易調理器具 カセットコンロ、鍋、やかん、燃料
生活用品 タオル、簡易トイレ、防寒具、小型テント、寝袋、照明器具、衣類
衛生用品 ティッシュペーパー、消毒用アルコール、マスク
救急用品 救急セット、薬

災害発生時には、インフラや物流機能の停止が懸念されます。
電気や水、ガス、食料などの供給が止まるため、食料や水はもちろん、カセットコンロや鍋、照明器具などを備えておくと、簡易生活環境の確保が容易になります。

被災者に新生児や乳児がいる可能性も考慮して、粉ミルクなどを備えておくことも大切です。
水は飲料用だけでなく、手を洗ったり用を足したりするための生活用水も用意しておきます。

また、災害時には怪我人や病人が出るリスクもあるため、救急セットや薬も用意しておくと安心です。
冬場などの冷え込みも考慮し、防寒具まで用意しておくと安心でしょう。

備蓄量の目安

農林水産省のガイドラインでは、備蓄食料の量は、最低でも1人あたり3日分、可能であれば1週間分を確保することが推奨されています。

参考:緊急時に備えた家庭用食料品備蓄ガイド|農林水産省

しかし、これは一般家庭における推奨量です。
顧客や取引先など、不特定多数の人員の集まる企業では、余裕を持って1週間分用意しておくのがよいでしょう。

大人1人あたり1週間分の食料を用意すると、目安は以下のようになります。

種類 1週間分の備蓄量の目安
21L
カップ麺・即席麺 3個
肉・魚・豆などの缶詰 11個
パン 2食
レトルト食品 5パック
アルファ化米 16パック

上記に加えて、災害時に訪れていた顧客や取引先、周辺の被災者への支援も考慮し、必要に応じて備蓄量を増やすことが推奨されます。

また、ライフラインの復旧には、数日から数週間かかるケースもあります。
そのため防災倉庫を選ぶ際は、従業員の数から備蓄品の量を計算し、余裕を持って収納できる広さのものを選びましょう。

企業が防災倉庫を設置するポイント

企業が防災倉庫を設置する際は、以下5つのポイントを意識しましょう。

  • アクセスしやすい場所に設置する
  • 分散して設置する
  • 業務スペースと分ける
  • 自治体の設置基準に倣う
  • 長期保管に適した場所に設置する

それぞれ詳しく解説します。

アクセスしやすい場所に設置する

災害時は交通障害や施設の倒壊などにより、パニックになっていることが多いです。
アクセスしにくい場所に設置していると、物資の調達に時間がかかったり、倉庫に辿り着けなかったりするおそれがあります。
そのため備蓄倉庫はアクセスしやすい場所に設置し、混乱状態の中でも速やかに従業員に物資を届けられる状態にしておきましょう。

分散して設置する

備蓄倉庫も被災によって使えなくなることがあります。
1箇所に集約していると、備蓄品がすべて使えなくなるおそれがあるため、複数箇所に分散させておくことが大切です。
野外やオフィス内など、複数箇所に倉庫を設置し、災害の種類や状況に応じて使い分けられるようにしておきましょう。

業務スペースと分ける

防災倉庫を業務スペースと混在させると、普段の業務に差し支えるおそれがあります。
日常業務に使用する物品と混在しないように、区画や棚、部屋を分けましょう。
備蓄品のスペースを明確にし、社内に周知しておけば、災害時にも迷わず物資を取り出せます。

自治体の設置基準に倣う

各自治体の防災計画やガイドラインを参考にすると、備蓄倉庫の設置を効率的に最適化できます。
ガイドラインには、倉庫面積の基準やビル内の設置間隔などが定められています。
とくにオフィスの敷地が広い、従業員数が多いなどの特徴がある企業は、ガイドラインを参考にすることで、備蓄品の過不足を防げるでしょう。

長期保管に適した場所に設置する

備蓄倉庫の場所は、長期保管を想定して選ぶ必要があります。
そのため、温度や湿度の変化が少ない場所に設置することが大切です。
直射日光が当たる場所や、湿気が多い場所に備蓄倉庫を設置すると、食品や飲料の腐敗を早めるおそれがあるため注意が必要です。

また、防虫対策や定期的な物品の確認も行う必要があります。
有事の際に困らないように、備蓄品がいつでも使える状態にしておきましょう。

関連記事:企業が備蓄すべき防災グッズ一覧!会社内に必要な非常食や道具を紹介

防災倉庫と合わせて必要な災害対策

防災倉庫を設置するだけでは、災害時のリスクをすべてカバーすることはできません。
そのため、以下2つの対策を合わせて行うことが大切です。

  • BCPの策定
  • 定期的な訓練と運用フローの構築

すべてを万全の状態にしておくことで、災害時の事業復旧や従業員の安全確保をスムーズに行えます。
それぞれ詳しく解説します。

BCPの策定

BCPとは、災害などで事業が被害に遭った際に、業務の継続や速やかな復旧を行うための計画のことです。
策定しておけば有事の際の行動指針が明確になり、災害が起きても冷静に対処できるようになります。
防災倉庫の物資配置や数量もBCPに組み込み、管理責任者や物品供給の基準を定めておくことで、迅速な対応が可能になります。

関連記事:BCPマニュアルの作り方と注意点、運用のポイントと合わせて紹介

定期的な訓練と運用フローの構築

BCPは策定しただけでは効力を発揮しません。
定期的な訓練と運用フローの構築によって、実現性の高い行動計画にブラッシュアップできます。
訓練によって備蓄品の供給フローや使い方を従業員に理解させておけば、有事の際も統率が取りやすくなります。
有事の際の混乱状態に陥ることを抑えられ、速やかな安全確保が可能です。

また訓練を行うと、運用フローの不備や足りない備蓄品などが可視化されます。
備蓄倉庫への動線の見直しや、備蓄品の管理方法の最適化につながるため、必ず実施しましょう。

防災倉庫を設置して従業員の万が一に備えよう

防災倉庫は災害発生時に従業員の安全を守り、事業を継続するための大切な備えです。
一般的には自治体などが用意するものですが、近年では一般企業での設置も推奨されています。
以下のような物品を蓄えておくことで、被災した際にも迅速に対応できます。

  • 食品
  • 簡易調理器具
  • 生活用品
  • 衛生用品
  • 救急用品

国が定めている備蓄量の目安は、物品ごとに3日分〜1週間分です。
また、BCPの策定や定期的な訓練などと組み合わせることで、より効率的に防災倉庫を運用できるようになります。
この記事を参考に、企業ごとに最適な防災倉庫を用意しましょう。

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