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オフィス防災が重要な理由とは?対策や運用方法、必要な備蓄品を紹介

オフィス防災は、災害や感染症から従業員や事業を守るために欠かせない取り組みです。
従業員の安全確保は、労働契約法によって義務が課されており、オフィス防災の対策が甘いと企業が法的責任を問われるおそれもあります。

しかし、具体的な対策内容や実行方法が分からず困っている企業様も多いのではないでしょうか。
この記事ではオフィス防災の概要から重要な理由、災害ごとの具体的な対策方法まで詳しく解説しています。
オフィス防災の対策にお悩みの企業様は、ぜひ参考にしてください。

オフィス防災の概要と重要な理由

オフィス防災とは、地震・火災・水害などの災害や感染症の拡大から従業員を守るための組織的な取り組みのことです。
オフィス防災を怠ると、災害発生時に従業員が危険にさらされるのはもちろん、事業の継続が困難になるリスクがあります。

そのためあらゆるリスクを想定し、備蓄品や防災グッズ、避難経路の確保、BCPの策定など多角的な観点から施策を打つことが大切です。
オフィス防災が重要とされる理由は、おもに以下の3つです。

  • 従業員の安全確保のため
  • 被害を最小限に抑えるため
  • 安全配慮義務の遵守のため

それぞれ詳しく解説します。

従業員の安全確保のため

オフィス防災の最優先事項は、従業員1人1人の安全確保です。
自然災害の発生時には、水や電気などのライフラインや交通機関が停止する可能性があります。
オフィスから出られない場合でも、すぐに救助が来るとは限らないため、食料や水などの備蓄品や、安全な避難経路の確保が欠かせません。

また、安全が確保できない状態で従業員を帰宅させると、従業員が二次災害に遭うおそれがあります。
したがって、最低でも3日〜1週間程度はオフィス内で安全に生活できる環境を整えておくことが大切です。
従業員の安全確保には、平常時の定期訓練も有効です。
避難経路や備蓄品の場所、行動方針などを事前に共有することで、有事の際も落ち着いて行動できるようになります。

被害を最小限に抑えるため

自然災害発生時には、設備や施設が損壊することもあります。
事前に代替案を用意していないと、修理や新規購入に時間がかかり、業務の長期的な停止につながります。
そのため以下のような対策を行い、万が一に備えておくことが大切です。

  • 耐震・耐火設備の導入
  • 重要書類や機材の保管
  • 業務データの定期バックアップ
  • 拠点の分散
  • 予備部品の用意

また設備の買い換えには、数1,000万〜数億規模の大金が必要になるおそれがあります。
業務停止による売上低下も相まって、資金繰りが苦しくなる、倒産に追い込まれるなど、企業への深刻なダメージにつながります。
災害によるダメージを最小限に抑えるためにも、オフィス防災は徹底しましょう。

安全配慮義務の遵守のため

労働契約法第5条では、安全配慮義務が定められており、企業には従業員の安全を守る責任が課せられています。
自然災害による被害も対象となっており、従業員の命を守ることを最優先に実行しなければなりません。
災害発生時にオフィス防災の不備が原因で、従業員が怪我をしたり死亡したりすると、企業が法的に責任を問われることがあります。

参考:労働契約法のあらまし|厚生労働省

従業員は大切な人的資本であり、失うと企業へのダメージも大きいです。
安全配慮義務に関係なく、大切な従業員を守るためにオフィス防災を徹底しましょう。

関連記事:防災備蓄品の管理方法とは?企業に必要な準備や保管方法を紹介

オフィス防災の基本的な対策

オフィス防災では、従業員の安全確保と業務継続の両立を目指した対策が必要です。
そのため、以下の6つを網羅的に実施しましょう。

  • BCPや防災マニュアルの策定
  • 避難経路やハザードマップの作成
  • 防災グッズの備蓄
  • 連絡網の整備
  • 業務データの定期バックアップ
  • 従業員への定期的な周知と避難訓練

それぞれ詳しく解説します。

BCPや防災マニュアルの策定

オフィス防災では、BCPや防災マニュアルの策定が不可欠です。
BCPとは事業継続計画のことで、災害発生時に事業の停止を防いだり、早期に復旧したりするために策定します。
BCPを策定すれば、事業への被害を最小限に抑えられ、売上の維持はもちろん、顧客や取引先からの信頼性向上につながります。

防災マニュアルは、BCPの実行方法や避難経路、連絡体制など、具体的な行動指針を記載したマニュアルです。
防災マニュアルを用意すると、災害発生時に従業員が取るべき行動が明確になるため、混乱を防げます。
落ち着いて行動ができるようになることで、安全性が高まる、事業の早期復旧につながるなどのメリットがあります。

災害発生時に落ち着いて行動するためにも、必ずBCPを策定し、行動方針を防災マニュアルに落とし込みましょう。

関連記事:BCPマニュアルの作り方と注意点、運用のポイントと合わせて紹介

避難経路やハザードマップの作成

避難経路やハザードマップを作成すると、従業員が災害発生時にも安全に行動できるようになります。
オフィス内の避難経路や非常口の位置を明示しておけば、災害発生時にも従業員が最短で外に出られます。
地震などの際は、建物の損壊により避難経路が使えなくなるおそれがあるため、代替経路まで用意しておくと安心です。

またハザードマップを用意しておくと、従業員がオフィス周辺の危険な場所を把握できます。
危険を避けながら避難できるため、安全性をより向上させられます。
ハザードマップは以下の災害別に作成することが大切です。

  • 洪水
  • 内水
  • 高潮
  • 津波
  • 土砂災害
  • 火山

危険な区域を地図に明示し、避難経路と合わせて記載しておくと理解しやすいです。

防災グッズの備蓄

災害時に従業員の安全を確保するために、以下のような防災グッズを用意しておきましょう。

  • 食料
  • 救急セット
  • ヘルメット
  • 防災ずきん
  • 防煙マスク
  • 軍手
  • バケツ
  • 消火器
  • ロープ
  • モバイルバッテリー
  • ラジオ
  • 地図
  • 防寒具
  • 簡易トイレ など

災害時には、一定期間オフィスから出られなくなることもあります。
そのため、最低限の生活を送るために必要な物品を揃えておくことが大切です。

備蓄品は防災倉庫などを用意し、災害時にもアクセスしやすい場所に設置します。
あらかじめ防災グッズの場所や使い方を周知しておけば、災害時にもスムーズに従業員に支給できます。
また物品は定期的に確認・入れ替えを行い、いつでも使える状態にしておきましょう。

連絡網の整備

連絡網を整備しておくと、災害発生時に従業員の安否確認を迅速に行えます。
その際、連絡手段を複数用意しておくことが大切です。
災害時には携帯電話の基地局の損壊、電話回線の混線などの理由で、電話が使えなくなるおそれがあります。

そのためメールやチャットアプリ、FAXなど、ほかの連絡手段を用意し、どのような状況でも連絡が取れる体制にしておく必要があります。
その際、連絡手段の優先順位を決めておけば、有事の際もスムーズに切り替えが可能です。

また、従業員全員の緊急連絡先リストを作成し、家族の安否確認先も含めて管理しておくことが望ましいです。
従業員と連絡が取れなくなると、安否や現場の状況が確認できなくなり、避難行動や事業復旧が後手に回ります。
あらゆる被害を想定し、連絡が取れなくなる状況が起こらないように徹底しましょう。

業務データの定期バックアップ

地震や火災、水害などの災害によってサーバーやパソコンが損傷すると、業務に必要なデータが失われるおそれがあります。
そのため業務に必要な重要なデータは、定期的にバックアップを取っておくことが大切です。
バックアップがあれば、万が一データが消失した場合でも、迅速に事業を復旧できます。
バックアップを取る際は、以下の点を意識しましょう。

  • 複数の場所にバックアップを取る
  • 定期的にバックアップを取る
  • 自動化してヒューマンエラーを防ぐ

クラウドストレージや外部ストレージなど、複数の場所にバックアップを保管しておけば、データ消失のリスクを最小限に抑えられます。

また、できるだけ短いスパンで定期的にバックアップを行い、常に最新のデータを保管しておくことも大切です。
自動化しておけば、作業漏れなどのヒューマンエラーも防げます。
バックアップの仕組みを構築し、ミスなく安全にデータ保管ができるようにしましょう。

従業員への定期的な周知と避難訓練

オフィス防災を実効性のあるものにするためには、従業員への定期的な周知と避難訓練が必須です。
BCPや防災マニュアルを作成しても、従業員が内容を理解していなければ実際の災害時に役立ちません。
そのため、日常的に安全行動や避難手順を周知するとともに、定期的な避難訓練で従業員が実行できるようにしておくことが大切ですS。
訓練では、火災時の消火器の使用方法や地震時の安全確保、非常口の利用方法など、災害ごとの被害を想定して実施すると効果的です。
訓練後にはフィードバックを行い、改善点を反映することでオフィス防災の精度を高められます。

また定期周知や訓練は、従業員の危機管理意識を高めることにもつながります。
従業員への周知と避難訓練を定期的に実施することで、災害発生時に従業員全員が安全確保と事業復旧に向けて動ける体制を構築可能です。

オフィス防災は定期的な見直しと改善が必須

オフィス防災は、一度対策を整えたら終わりではありません。
災害のリスクは時代とともに変化し、新たな対策が必要になることもあります。
そのため対策内容が古いと、現代の災害に適合しないこともあります。
たとえば、新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに、オフィス防災の備蓄には、感染症対策アイテムも必要とされるようになりました。

また、オフィスの移転や従業員数の増減、新しい設備の導入などの内的要因によって避難経路や安全確保の方法が変わることもあります。
そのため、BCPや防災マニュアルは定期的に見直し、最新の状況に合わせた内容に更新する必要があります。
オフィス防災の見直しで意識するポイントは、以下のような項目です。

  • 防災マニュアルの内容が時代に合っているか
  • 防災グッズに不備や不具合はないか
  • 備蓄食料の賞味期限や量に問題はないか
  • 避難経路がオフィスの現状に即しているか
  • 連絡網が全社員分網羅されているか

また防災マニュアルを改訂した際は、運用テストや避難訓練を行い、実効性を確かめることも大切です。
改善のための仕組みを構築し、PDCAを回し続けることでマニュアルの有効性を維持できます。
オフィス防災がいつでも機能するように、平常時から準備を万全にしておきましょう。

オフィス防災は災害ごとに対策を立てる

オフィス防災では、以下のような災害の種類ごとに、適切な対策を立てることが大切です。

  • 地震
  • 火災
  • 水害
  • 感染症

災害ごとの被害内容や生じるリスクの違いを理解し、適切な対策を講じましょう。
それぞれ詳しく解説します。

地震

日本は地震が多いため、オフィス防災においてもとくに力を入れる必要があります。
地震の対策で意識するポイントは、おもに以下の3つです。

  • 転倒防止
  • 落下防止
  • 移動防止

地震の規模によっては、大型の設備やオフィス家具などが転倒し、避難経路が遮断されたり、従業員が怪我をしたりするおそれがあります。
そのため、設備や家具が確実に固定されているか確認し、転倒のリスクを最小限にすることが大切です。

とくに重心の高い家具などは転倒しやすいため、重たいものは棚の下のほうに入れるなどの工夫も必要です。
上方から危険なものが落ちてくる、落下リスクの削減にもつながります。
同時に、OA機器を高いところに置かない、照明器具を固定するなどの対策を行えば、落下物による二次被害を削減可能です。

また地震の際は、パーテーションやキャスター付きの什器が移動し、避難経路を塞ぐおそれもあります。
とくにキャスター付きの什器は、オフィスのレイアウトや業務の効率を優先し、固定されていないことも多いです。
災害時の動線確保を最優先し、業務効率を考慮しながら最適な配置にすることが大切です。

火災

オフィス防災における火災対策は、従業員の安全確保と被害の拡大防止が中心です。
まず、以下のような防火設備を適切に設置し、定期的な点検を行います。

  • 消火器
  • スプリンクラー
  • 煙感知器
  • 火災報知器
  • 防火シャッター

異常がないかこまめに確認し、有事の際に必ず動作する状態を維持することが大切です。

また、火災の原因は設備の電気機器の過熱や配線の劣化など、オフィスの中に多く潜んでいます。
定期的に確認し、劣化が見受けられたらすぐに交換をするなど、火災を未然に防ぐ対策も必要です。
従業員には避難誘導の訓練を実施し、経路や手順を落とし込んでおけば、万が一火災が発生した際にも安全性を確保できます。

水害

オフィス防災では、集中豪雨や台風によって発生する水害対策も必要です。
とくにオフィスが低地にある場合、水害によってオフィスや設備が甚大な被害に遭うおそれがあります。
オフィスの立地や周辺のハザード情報を確認し、浸水リスクの高いエリアでは重要書類や機材を高所に保管することが推奨されます。

また、業務データはクラウドや外部ストレージにバックアップし、災害時でも業務継続が可能な体制を整えることが大切です。
ビルの高層階などにオフィスを構えている場合でも、低層階の被害状況によっては外に出られなくなることもあります。
十分な備蓄品を用意し、救助が来るまで従業員全員が耐えられる準備をしておきましょう。

感染症

オフィス内の衛生対策を怠ると、インフルエンザや新型コロナウイルスなどの感染症が発生するリスクが上がります。
集団感染すると、少なくとも1週間は人員不足に陥り、事業の継続が困難になることもあります。

また重症化すると、従業員の健康に深刻な影響を与える危険があるため注意が必要です。
感染症の防止には、手洗いや消毒の徹底、マスク着用、換気の確保など、基本的な衛生管理を日常的に実施することが大切です。
出勤停止や在宅勤務のルールを明確化し、感染拡大時でも業務が継続できる体制を整えておくことも求められます。
従業員への周知や情報提供を定期的に行うことで、感染症に対する意識を高め、安全かつ衛生的な職場環境を維持しましょう。

オフィス防災を徹底して従業員の安全を守ろう

オフィス防災は、従業員の安全確保と事業継続を両立させるために必要な取り組みです。
地震・火災・水害・感染症など、災害の種類ごとに適切な対策を講じることが求められます。
以下のような対策を網羅的に行うことで、実効性の高い防災体制を構築できます。

  • BCPや防災マニュアルの策定
  • 避難経路やハザードマップの整備
  • 防災グッズの備蓄
  • 連絡網の確立
  • 業務データのバックアップ
  • 定期的な訓練や周知

オフィス防災を策定する際は、災害ごとの被害内容や想定されるリスクを洗い出し、それぞれに適した対策を講じることが大切です。
従業員1人1人の安全を守るため、オフィス防災を徹底し、安心して働ける職場作りを進めましょう。

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