
防災備蓄品は、災害発生時に企業が従業員の安全を守るために、必ず用意しておくべきものです。
しかし、備蓄品の種類や量、管理方法が不十分だと、期限切れや過剰在庫、在庫データの不一致などのトラブルが起こりやすくなります。
企業様の中には、リソース不足やノウハウの不足が原因で、備蓄品の管理がうまくいっていないケースも多いのではないでしょうか。
この記事では、防災備蓄品管理の概要や、よくあるトラブル、管理方法の選び方まで詳しく解説しています。
防災備蓄品の管理に課題を抱えている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
企業の防災備蓄とは、災害発生時の従業員の安全確保を目的に、食料や生活用品などをあらかじめ備えることです。
一般家庭での備蓄と異なり、従業員の安全確保や事業継続の観点から、備蓄する物品や量を定めることが大切です。
企業における防災備蓄は、以下のような目的で行います。
災害発生時は、電気・水道などのインフラが停止したり、交通機関が麻痺したりすることも珍しくありません。
勤務時間中に被災した場合、数日間にわたって大勢が社内から出られなくなることもあります。
十分な備蓄がないと、従業員の命が危険に晒されるおそれがあるため、注意が必要です。
また災害によって事業が長期間停止すると、自社や取引先の経済的損失に発展します。
信頼性の低下にもつながるため、従業員が活動するための食料や水はもちろん、破損したシステムや設備の予備も用意しておく必要があります。
防災備蓄は、従業員の安全を確保するだけでなく、災害から復興したあとも安定して事業を継続するために不可欠です。
緊急時でも、従業員が業務再開に向けて迅速に動けるように、十分な備蓄を確保しておくことが大切です。
関連記事:オフィス防災が重要な理由とは?対策や運用方法、必要な備蓄品を紹介
防災備蓄の有無は、被災時の従業員や顧客、周辺住民の安全に直結します。
企業の場合、以下のような理由で従業員以外の命を預かるケースがあります。
十分な備蓄がないと、満足な量を全員に配れず、大勢を危険に晒すことになります。
また企業には災害の発生時に行政と連携し、従業員や近隣住民の安全を確保する社会的責任があります。
そのため、従業員以外の安全を守ることを考慮し、十分な量を備蓄しておくことが大切です。
企業が備蓄しておくべき防災品には、以下のような物品が挙げられます。
| カテゴリー | 備蓄品の例 |
|---|---|
| 食品 | アルファ化米、ビスケット、カップ麺 |
| 水 | 飲料水、生活用水 |
| 簡易調理器具 | カセットコンロ、鍋、燃料 |
| 生活用品 | タオル、簡易トイレ、防寒具、照明器具 |
| 衛生用品 | ティッシュペーパー、消毒用アルコール、マスク |
| 救急用品 | 救急セット、薬 |
生命維持に必要な食料や水はもちろん、冬場の被災に備えて防寒具なども用意しておくと安心です。
また被災時に怪我人や病人が出ても、すぐに医療機関を受診できないおそれがあります。
応急処置ができるように、消毒液や絆創膏、解熱剤なども用意しておくのがおすすめです。
国が推奨している食料などの備蓄量の目安は、3日〜7日分とされています。
しかし、企業の場合は取引先や近隣住民のことを考慮して多めに確保しておくとよいでしょう。
防災備蓄品の管理方法は、おもに以下の3つです。
防災備蓄品には食料なども含まれるため、自社の状況に合わせて、適切な方法で管理することが大切です。
それぞれ詳しく解説します。
防災備蓄品管理の専門業者に依頼すれば、効率的かつ確実に管理してもらえます。
専門業者は保管場所の確保から在庫管理、期限のチェック、必要に応じた入れ替えまで一括で対応してくれます。
そのため、依頼すれば社内リソースを圧迫せずに備蓄品管理の体制を構築可能です。
複数拠点の備蓄品も一元管理できるため、災害発生時の混乱を最小限に抑えられます。
また専門業者を活用すれば、災害対策のプロによる定期的な点検やアドバイスも受けられます。
備蓄品の有効期限切れや過剰在庫のリスクの低減、時代に合わせた備蓄品の追加など、常に最適な状態を維持できるでしょう。
とくに従業員数や拠点が多い企業では、専門業者への依頼がおすすめです。
物品管理システムを、防災備蓄品の管理に応用するのも有効な手段です。
システムを活用することで、在庫状況や賞味期限をリアルタイムで把握でき、手作業での確認によるヒューマンエラーを防げます。
複数拠点の備蓄品を一元管理できるため、災害発生時に迅速な支給につながります。
また、すでに物品管理システムを導入していれば、コストをかけずに備蓄品の管理が可能です。
消耗品や文書など、通常業務で使用する物品も管理できるため、費用を抑えたい方におすすめです。
防災備蓄品管理専用のシステムは、機能が備蓄品の管理に最適化されているため、より作業を効率化できます。
アルファ化米やビスケットなど、品目ごとの管理はもちろん、賞味期限が迫るとアラートを出してくれるものもあります。
在庫状況や使用履歴の記録も行えるなど、備蓄品を一元管理可能です。
手作業に比べてミスなく効率的な管理が実現し、管理の煩わしさからも解放されます。
ただし、すでにほかの管理システムなどを使用している場合、追加の導入費用がかかることになります。
既存の物品管理システムで代用できないか確認し、必要性を感じたら導入しましょう。
関連記事:防災倉庫とは?備えておくべき理由と備蓄しておきたいもの
防災備蓄品の管理方法を決める際は、以下3つのポイントを意識しましょう。
それぞれ詳しく解説します。
防災備蓄品の管理方法を決める際は、導入の目的を明確にすることが大切です。
企業によって備蓄品管理の最適解は異なります。
目標が曖昧なまま管理方法を決めると、以下のような理由で管理効率が落ちるおそれがあります。
そのため、自社が備蓄品管理で解決したい課題を洗い出し、整理することが重要です。
備蓄品管理のよくある課題として、以下のようなものが挙げられます。
課題から逆算し、目的を設定すれば、自社が選ぶべき管理方法や必要なシステムが明確になります。
防災備蓄品の管理方法は、自社の状況を考慮して選ぶことが大切です。
たとえばリソース不足で管理が困難な場合には、専門業者への依頼が適しています。
リソース不足の状態で物品管理システムを導入しても、システムを使う時間が捻出できず、費用が無駄になるおそれがあります。
反対に、管理をする余裕はあるものの、記録が煩雑になっているなどの場合は、システム導入で解決可能です。
システム側で分かりやすいフォーマットで一元管理できるため、リソース削減とミスのない管理が実現します。
自社のリソースやノウハウを考慮しながら、必要な手段を見極めましょう。
防災備蓄品管理システムを導入する場合、必ず無料トライアルなどを活用しましょう。
システムを実際に使ってみたら使用感が思っていたものと違った、というケースは珍しくありません。
事前に確認しておかないと費用が無駄になる、使いにくいシステムを使い続けることになるなど、さまざまなデメリットが生まれます。
そのためシステムを導入する際は、可能な限りトライアルを利用するのがおすすめです。
また専門業者に管理を依頼する場合も、複数者から相見積もりを取ることが大切です。
各業者にサービスの内容やサポート範囲を確認し、費用とのバランスを比較したうえで依頼先を決めれば、失敗を防げます。
防災備蓄品の管理では、以下のようなトラブルが起こります。
トラブルの内容を理解し、事前に対策を打つことで防災備蓄品を適切に管理できます。
それぞれ詳しく解説します。
防災備蓄品は保管箇所が分散していたり、賞味期限が食品ごとに異なったりと、さまざまな要因から管理が煩雑になりやすいです。
大企業ほど、管理の規模も大きくなるため、データの不一致も起こりやすくなります。
また中小零細企業でも、リソース不足などの理由から管理が煩雑になるケースは多いです。
一度データが一致しなくなると、正しい状態に戻すために追加のリソースやコストが必要になり、管理のストレスが増える原因になります。
そのため、専門業者を使って管理リソースを0にする、管理システムの導入で作業を効率化するなどの工夫が必要です。
災害を意識するあまり、防災備蓄品を過剰にストックしてしまうことも、よくあるトラブルです。
有事の際の安心感は高くなりますが、以下のようなデメリットも生まれます。
防災備蓄品がスペースを圧迫すると通常業務に差し支えたり、余計な管理タスクが発生します。
また飲料水や非常食は、長期間使われないまま放置すると品質劣化の原因となるため注意が必要です。
過剰なストックによって賞味期限切れが起こると、食品ロスにもつながります。
優先順位が高い備蓄品と従業員の人数に応じた必要量を明確にし、適切な量だけストックしましょう。
乾パンやアルファ化米など、備蓄品として作られた食品は賞味期限が長めに設定されています。
しかし頻繁に入れ替える必要がないために、気づいた頃には賞味期限が切れていた、ということはよく起こります。
期限切れの飲料水や非常食は緊急時に使用できず、従業員の安全確保に支障をきたすため、定期的な入れ替えを行うことが大切です。
期限切れの食品は、無理に口にすると体調不良などの二次被害を起こすおそれもあります。
賞味期限の管理機能がついている防災備蓄品管理システムを導入する、ローリングストック法を採用するなど、工夫しながら管理しましょう。
ローリングストック法とは、備蓄品を日常生活で定期的に消費し、使った分だけを新たに買い足していく管理方法です。
ローリングストック法を採用すれば、常に一定の備蓄量を保ちながら、食べ物の賞味期限切れを防げます。
また非常食を食べ慣れておくことで、非常時に抵抗がなくなるなどのメリットもあります。
食料品の買い替え時期をあらかじめ決めておき、賞味期限の切れていなくても消費して買い替えるサイクルを作りましょう。
企業の防災備蓄は、定期的な管理と物品の入れ替えが欠かせません。
防災備蓄品の管理には、専門業者への委託や物品管理システム、防災備蓄品管理システムの導入などの方法があります。
自社の状況や運用体制と照らし合わせ、最適な方法を選ぶことが大切です。
適切な管理体制を構築すれば、賞味期限切れや過剰在庫、在庫データとの不一致などのトラブルを防げます。
災害時に確実に備蓄品を活用できるため、従業員の安全確保や早期の事業復旧につながります。
この記事を参考に、自社の防災備蓄品の管理を見直し、不備がないか確認しましょう。
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