緊急事態に備えて保存水を用意したいものの、選び方がわからず困っている方もいるでしょう。
保存水は、賞味期限や容量などを確認してから選ぶことが大切です。
また、適切な備蓄量も理解しておく必要があります。
ここでは、おすすめの保存水14選を紹介し、備蓄量の目安や選び方、保管方法についても解説します。
納得して利用できる保存水を見つけたい方は参考にしてください。
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目次
ミネラルウォーター類の中で、長期間の保存を目的として開発されたものです。
ここでいうミネラルウォーター類は、水のみを原料とする清涼飲料水を指します(食品衛生法)。
保存水と一般的なミネラルウォーターの賞味期限の目安は以下の通りです。
分類 | 賞味期限の目安 |
保存水 | 5~10年 |
一般的なミネラルウォーター | 2年 |
この特徴から、保存水は備蓄に適したミネラルウォーター類とされています。
一般的なミネラルウォーターとの主な違いは使用している容器です。
保存水には、厚みのあるペットボトルを使用するなどの工夫を行っています。
長期間にわたって容器に記載している容量を保証できるため、賞味期限を長く設定できるのです。
ちなみに、保存水と一般的なミネラルウォーターの製造方法は大きく変わりません。
基本的には、以下の方法で製造しています。
【製造方法】
保存料などを使用して、賞味期限を延ばしているわけではありません。
関連記事:防災士が選ぶ「企業の防災セットに絶対に必要なもの」10選
保存水には、さまざまな選択肢があります。
おすすめの14選は以下の通りです。
北海道の羊蹄山麓から湧き出す天然水を原水とする保存水です。
この湧き水は、アイヌ語で「神の水」を意味するカムイワッカと呼ばれています。
ミネラル成分をバランスよく含む点と「おいしい水研究会(厚生省)」が発表した美味しい水の条件を満たす点が特徴です。
品質の高さから、2008年の洞爺湖サミットでG8の首相に提供されました。
ジャパンミネラル カムイワッカ麗水の賞味期限は、5年・7年・10年・15年です。
富士山の麓で採水している保存水です。
ミネラルをバランスよく含んでいる口当たりがまろやかな軟水を使用しています。
常温でも飲みやすいと感じる方が多いでしょう。
以下の特徴も備えています。
【特徴】
賞味期限は5年6カ月(2023年9月製造品以降)です。
実用的な保存水といえるでしょう。
「アサヒおいしい水天然水」のボトル素材を厚くして、賞味期限を製造から6年に延ばした保存水です。
見なれた商品を、緊急時に利用できます。
主な特徴は、あえて500mlボトルを使用していることです。
コップがない環境でも、回し飲みをする必要はありません。
1ケースあたりの本数は24本です。
小分けにすれば、手軽に持ち運べるうえ分散備蓄も行えます。
「防災バッグに入れるものは、慣れ親しんだものを優先して選びたい」という声に応える商品としてサントリーが展開している保存水です。
サントリー天然水ブランドは、24年連続でミネラルウォーター販売容量(金額、本数)1位を記録しています。
緊急時も飲みなれたミネラルウォーターを利用したい方に向いています。
主な特徴は、ラベルに賞味期限と備蓄用ボトルマークをわかりやすく表示していることです。
緊急連絡先などを記載できる防災メモ欄も用意しています。
同商品の賞味期限は5年です。
島根県金城町の地下300mから噴出する地下水を用いた保存水です。
不純物をほとんど含まないため、加熱処理を必要としません。
外気にさらさず、無菌状態でボトリングしている点もポイントです。
大自然が生みだした滑らかな口当たりを楽しめます。
7年経っても、おいしさや成分がほとんど変わらない点も魅力です。
分析調査で、pH値、硬度、ミネラルに目立った変化がないことを確かめています。
室戸岬沖で採水した海洋深層水を使用している保存水です。
水深374mから取水したのち脱塩、除菌、殺菌、減温を経て、国産耐熱ペットボトルへ充填しています。
紫外線殺菌、転倒充填殺菌で、ペットボトルの蓋を消毒している点もポイントです。
上記の取り組みにより、12年の賞味期限を実現しています。
その特徴が評価され、第1回日本災害食大賞 機能性部門でグランプリを受賞しました。
定期的な入れ替えにかかる手間やコストを、できるだけ省きたい方におすすめです。
室戸岬沖の水深344mから汲み上げた海洋深層水を使用している保存水です。
逆浸透ろ過を2回繰り返すことで、塩分、ミネラル、バクテリアなどをほぼ完全に除去しています。
不純物をほとんど含まない硬度0mg/Lの純水に仕上げている点がポイントです。
したがって、飲料用、調理用など、さまざまな目的に使用できます。
食品安全マネジメントシステムに関する国際規格ISO22000認証を受けた工場で製造している点も魅力です。
製造元のアコール社は、ユーザーの手元に届いた時点で賞味期限が10年以上あるもののお届けを保証しています(公式サイト)。
備蓄に利用しやすい保存水といえるでしょう。
山梨県甲州市で採水した硬度約50mg/Lの天然水を使用している保存水です。
ろ過と殺菌を繰り返したうえで、第三者機関による品質検査を実施して安全性を確かめています。
品質保証調査で、5年保存できることが証明されている点もポイントです。
また、災害時の使用を想定して、壊れにくく熱にも強いペットボトルと衝撃に強いダンボールを使用しています。
ちなみに、アイリスオーヤマは、容量500mlの保存水も扱っています。
こちらは、海洋深層水からミネラルなどの不純物を取り除いた純水です。
目的にあわせて、使い分けることもできます。
兵庫県福崎町の地下水を用いた水道水を使用している保存水です。
ろ過を繰り返して、塩素やカルキなどを取り除き安全性を高めています。
ガスバリヤー性と遮光性に優れたアルミ缶へ充填している点が特徴です。
この取り組みにより、賞味期限10年を実現しています。
また、再密閉できる蓋を使用しているため、アルミ缶を水筒として使用することもできます。
一般的な耐熱ペットボトルより重量が約22%軽く、持ち運びの負担を軽減できます。
原水から不純物を99.9%取り除いた硬度0mg/Lの保存水です。
ミネラルなどをほとんど含まないため、飲料用以外の目的にも幅広く使用できます。
容量のバリエーションが多い点も魅力です。
500ml、1.5L、2Lの中から、目的にあわせて選べます。
賞味期限は、製造から11年です。
日本アジアハラール協会の認証を受けているため、イスラム教を信仰している方でも安心して利用できます。
サニタリー仕上の配管を設置したオートメーション工場で製造している保存水です。
パイプ機器を分解せず配管を洗浄、殺菌できるCIP装置を設置しているため、確実性の高い衛生管理を行えます。
硬度14mg/Lの軟水を120度で殺菌処理して耐熱ペットボトルへ充填している点もポイントです。
扱いやすさを考えて500mlサイズで展開しています。
賞味期限は製造から6年です。
公式サイトでは、お届け時点で残りの賞味期限5年以上を保証しています。
富山県中新川郡立山町の深井戸水を使用している保存水です。
北アルプスの立山連峰と富山平野が、長い年月をかけてこの天然水を育みました。
ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、カリウムをバランスよく含みます。
賞味期限は、5年5カ月です。
7年10カ月保存したものを検査したところ、大腸菌群、真菌、一般細菌に関する問題は確認できませんでした。
同商品は、自衛隊や市町村役場、病院、学校などで備蓄されています。
島根県金城町の地下数百メートルから汲み上げた天然水を使用している保存水です。
硝酸態窒素、PFAS(PFOA/PFOS)、放射性物質は検出されていません。
全自動の無菌充填システムで、人の手を加えずに製造している点がポイントです。
賞味期限は7年と10年に設定されています。
日本食品分析センターの検査で、7年以上成分が変化しないことを確かめています。
ペットボトルの改良により、2025年8月から10年保存できる500mlサイズを販売できるようになりました。
2026年春頃に、10年保存できる2Lサイズの販売も予定しています。
室戸岬沖の海洋深層水を原水とする保存水です。
食品マネジメントシステムの国際規格ISO22000認証を受けた工場で製造しています。
逆浸透ろ過を繰り返して不純物を可能な限り取り除いているため、飲料用だけでなく薬の服用や洗顔などにも適しています。
災害用に備蓄することを想定して、頑丈なペットボトルを使用している点もポイントです。
積み重ねても崩れにくいため、まとめて保管したいときに向いています。
賞味期限は製造日を含めて5年6カ月、容量の選択肢は500mlと2Lです。
関連記事:ローリングストックとは?重要性と取り入れるメリット&手順
以上の通り、保存水にはさまざまな選択肢があります。
ここからは、保存水の選び方を解説します。
一般的な保存水の賞味期限は、5~10年程度に設定されています。
買い替えるサイクルを延ばせるため、基本的には賞味期限の長い商品がおすすめです。
参考に、17年経過した場合の買い替え回数を紹介します。
経過した期間 | 賞味期限 | 買い替え回数 |
17年 | 5年 | 3回 |
17年 | 10年 | 1回 |
賞味期限の長い商品は、買い替えにかかる手間とコストを抑えられます。
買い替えを忘れるリスクが低い点も魅力です。
保存水には、500mlや2Lなどさまざまな容量の選択肢があります。
500mlと2Lの主なメリット、デメリットは以下の通りです。
容量 | メリット | デメリット |
500ml |
|
|
2L |
|
|
それぞれの特徴は異なるため、用途を想定したうえで500mlと2Lをバランスよく備えておくことが大切です。
飲みやすさにこだわりたい方は、清涼飲料水メーカーが扱っている保存水を選ぶとよいでしょう。
原則として、口当たりがまろやかでストレスなく飲める保存水を扱っているためです。
商品選択で悩む場合は、これまでに飲んだことがあるブランドを選んでみてはいかがでしょうか。
大手清涼飲料水メーカーの中には、有名ブランドの保存水を販売しているところがあります。
基本的に、採水地や製造方法は同じと考えられます。
普段と同じ味わいで飲めるため、災害時にも安心して利用できます。
飲みやすい保存水を選びたい場合は、水の硬度を確かめるとよいでしょう。
硬度は、水1Lに含まれるカルシウムおよびマグネシウムの量を表す値です。
保存水は、硬度によって以下の4つに分類されます。
硬度 | 分類 |
60mg/L以下 | 軟水 |
60~120mg/L | 中硬水 |
120~180mg/L | 硬水 |
180mg/L以上 | 超硬水 |
日本の水道水の硬度の平均は48.9mg/Lです。
軟水に慣れ親しんでいるため、硬水よりも軟水のほうが飲みやすいと感じる傾向があります。
また、ミネラルが少ない軟水は、調理や洗髪、洗顔など、幅広い用途に利用できます。
硬度が低い水は、保存水に適しているといえるでしょう。
東京大学 大学院総合文化研究科・教養学部「あなたの水道水、『硬さ』調べました ~ 日本全国水道水の硬度分布 ~」
企業規模にあわせて保存水を備蓄することも重要です。
備蓄量が少ないと、全従業員にいきわたらない、あるいは待機中に備蓄が尽きてしまう恐れがあります。
反対に備蓄量が多すぎると、管理の手間と無駄なコストがかかります。
用意しておきたい水の量の目安は次の見出しで解説します。
関連記事:災害時に必要なものとは?防災リュックに入れておくべきものも確認
災害時に必要な水の量は以下の通りです。
発災後3日間は、救命活動や救助活動が優先されます。
これらの活動の妨げにならないように、3日間は企業が従業員をオフィスなどに待機させなければならないことがあります。
したがって「大人1人あたり1日3L×3日間=9L」が、最低限必要な水の量とされています。
以上を参考に、自社で必要になる備蓄量を検討することが大切です。
保存水を保管するときに、意識したいポイントは以下の通りです。
【保管方法】
大量に保管する場合は、崩れにくいようにダンボールを積むことが推奨されます。
建物の倒壊などに備えて、複数個所に分散して保管しておくことも大切です。
続いて、保存水を上手に保管する方法と生水を利用する際の注意点を解説します。
保存水には賞味期限が設けられています。
したがって、定期的な入れ替えが必要です。
賞味期限切れによる大量廃棄を防ぎたい場合は、ローリングストック法を活用するとよいでしょう。
基本的な取り組み方は以下の通りです。
【ローリングストック法】
ローリングストック法を活用すれば、賞味期限内の保存水を切らさずに確保できます。
ペットボトルなどの容器に入れた水道水を緊急時に利用することもできます。
塩素の働きで雑菌の繁殖を抑えられるため、短期間であれば利用できます。
保管できる期間の目安は以下の通りです。
保管方法 | 保管できる期間の目安 |
常温 | 3日間 |
冷蔵庫 | 10日間 |
浄水器を通した水や沸騰させてから冷ました水は、塩素の働きが弱まるため傷みやすくなります。
いずれにせよ、長期保管には向いていません。
また、大規模災害などでは、水道が止まることもあります。
万が一に備えて、保存水を用意しておくことが大切です。
丸和運輸機関では、防災備蓄品管理で発生する全てのお悩みを解決する
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ここでは、おすすめの保存水を紹介しました。
商品選びで迷う場合は、賞味期限が長く、硬度が低い保存水を選ぶのが適しています。
用途に合わせて、500mlと2Lを組み合わせることも大切です。
購入や入れ替えの手間を省きたい場合は、丸和運輸機関のサービスを活用する方法もあります。
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