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賞味期限切れの防災備蓄品の処分方法は?廃棄を防ぐ方法も紹介

企業の防災備蓄品は、賞味期限が過ぎると原則として産業廃棄物に分類されます。
産業廃棄物の処分には、業者への高額な費用や手間がかかるため、賞味期限内に処分できる管理体制の構築が不可欠です。

しかし、リソースが足りない、管理のノウハウがないなどの理由で、体制の構築に踏み切れていない企業様も多いのではないでしょうか。
この記事では、企業の防災備蓄品の処分の現状や適切な処分方法、管理のポイントを解説しています。
備蓄食料は、正しく処分すれば社員への還元や社会貢献につながります。
防災備蓄品の処分方法にお悩みの企業様は、ぜひ参考にしてください。

賞味期限切れの防災備蓄品は廃棄処分になる

賞味期限が切れた備蓄食料は、フードバンクや寄付は一般的に受け付けてくれないため、廃棄処分することになります。
しかし、企業の防災備蓄では管理規模が大きいため、食品や飲料水の賞味期限切れが発生しやすく、食品ロスが問題となっています。

また、賞味期限を過ぎた備蓄品は一般ごみとして捨てられず、産業廃棄物として専門業者に廃棄を依頼しなければなりません。
無駄なコストが発生し、入れ替え作業や業者選定など、担当者の作業負担も増します。
そのため防災備蓄品を用意する際は、賞味期限切れを起こさない計画的かつ継続的な管理体制の構築が不可欠となっています。

関連記事:防災備蓄品の管理方法とは?企業に必要な準備や保管方法を紹介

防災備蓄品の廃棄処分の現状

一般的に、備蓄用に作られている食品の賞味期限は、1〜3年など長めに設定されています。
しかし、それゆえに油断が生まれ、気づいた時には賞味期限を過ぎていた、というケースも珍しくありません。
備蓄食料の市場は、企業や自治体などでの購入が活発化している背景もあり、2023年時点では10年間で約1.5倍に成長しています。

出典:災害食特集2025|日本食糧新聞・電子版

同時に課題となっているのが、賞味期限切れによる大量の食品ロスです。
企業から出る賞味期限切れの備蓄食料は、産業廃棄物として扱われます。
本来有効活用できたはずの食品を、費用をかけて処分するため、コストと環境の両面に悪影響を与えています。

また、管理担当の負担増加も備蓄食料の賞味期限切れを招く原因です。
防災備蓄品の管理には、在庫の確認、期限のチェック、業者選定、廃棄手続き、新しい備蓄品の調達など、さまざまな作業が必要です。
担当者の負担が増えた結果、管理の見落としなどが発生し、食品ロスにつながっています。

食品ロスは、SDGsでも掲げられている世界的な社会問題です。
農林水産省の2025年の発表によると、日本における食品ロスは減少傾向にあるものの、年間464万トンにも上るとされています。

参考:食品ロス削減の現状|農林水産省

食品ロスをなくすために、防災備蓄品の管理を徹底し、備蓄品による食品ロスをなくす動きが企業単位で求められています。

防災備蓄品は賞味期限前に処分することが大切

防災備蓄品の管理フローは、賞味期限に余裕がある状態で処分ができるように、構築することが大切です。
賞味期限が切れると、衛生上の問題からフードバンクなどへの寄付は原則できません。
高額な廃棄費用が発生する産業廃棄物への処分を依頼することになり、食品ロスとコストの問題が発生してしまいます。

一方で、賞味期限が残っている状態であれば、処分方法に選択肢が生まれます。
社員への配布やフードバンクへの寄付、あるいは引き取りサービスを利用した有効活用などが可能です。
廃棄コストと食品ロスの削減につながり、社員満足度の向上やBCPへの意識向上など、企業イメージや内部統制にも好影響を与えます。
廃棄処分を最小限に抑え、備蓄品を最大限に有効活用するためにも、賞味期限前の計画的な入れ替えを行いましょう。

企業が防災備蓄品の廃棄処分を防ぐ方法

防災備蓄品の廃棄処分を防ぐためには、賞味期限が切れる前に以下のいずれかを実行するのがおすすめです。

  • 社員に配る
  • フードバンクに寄付する
  • 業者の引き取りサービスを利用する

それぞれ詳しく解説します。

社員に配る

賞味期限が残っている防災備蓄品は、社員に配布するのが有効です。
余裕を持って食べられる食品を配布することで、企業と従業員に以下のようなメリットが生まれます。

  • 廃棄コストと食品ロスの削減
  • 試食機会の提供とBCP意識の向上
  • 社員満足度の向上

食べられる状態で社員に配れば、備蓄品が産業廃棄物となるのを防ぎ、高額な処理費用をカットできます。

また、従業員が配布された非常食を実際に自宅で試食することで、味や調理方法を把握可能です。
災害発生時に備蓄品をスムーズに活用できる具体的なイメージが湧き、BCPや防災への意識向上につながります。

くわえて、備蓄品を福利厚生の一環として提供すれば、従業員のことを考えているという企業からのメッセージにもなります。
配布する際は、事前に配布計画やルールを定め、全社員に公平に行き渡るよう配慮しましょう。

関連記事:賞味期限切れの非常食はいつまで食べられる?見極めのポイント

フードバンクに寄付する

フードバンクとは、まだ食べられるにもかかわらず、廃棄される食品を企業などから寄付してもらい、必要な人や団体に無償提供する活動です。
賞味期限前の備蓄食料を寄付すれば、社会貢献につながり、以下のようなメリットが得られます。

  • 社会貢献と企業イメージ向上
  • 廃棄コストの回避

本来処分するはずだった食品を、困っている人に分配することで、自社が社会問題の解決に前向きであることを示せます。
廃棄コストも不要になるなど、誰も損をしない方法で備蓄食料を処分可能です。
フードバンクへの寄付は、1ヶ月以上など、賞味期限が十分に残っていることが条件となる場合が多いです。

また、食品の種類や保管状態についても規定があるなど、団体ごとに受け入れ条件が異なります。
フードバンクへの寄付を検討する場合は、事前に寄付先と決定し、受け入れ条件に合わせた管理フローを構築しましょう。

業者の引き取りサービスを利用する

防災備蓄品の管理業者の中には、賞味期限が残っている食品の引き取りサービスを提供しているところもあります。
社員への配布やフードバンクへの寄付が難しい場合、依頼するのも1つの手段です。
専門業者への依頼には、以下のようなメリットがあります。

  • 防災備蓄品の管理をワンストップで依頼可能
  • 防災対策やBCPの最適化
  • 廃棄コスト削減と効率化

専門業者は、備蓄品の新規購入や入れ替え、賞味期限の確認など、管理を一貫して行ってくれるケースがあります。
管理リソースを削減しながら、期限切れによる食品ロスを防止できます。
防災対策やBCPコンサルティングまで対応している業者に依頼すれば、より広範囲の対策をワンストップで策定可能です。

また専門業者は、産業廃棄物業者よりも低価格で備蓄品を引き取ってくれる場合があります。
行き場のない食品でも、廃棄コストを抑えられる可能性があるため、検討してみましょう。

防災備蓄品の賞味期限切れを防ぐ管理方法

防災備蓄品の賞味期限切れを防ぐには、以下3つの方法が有効です。

  • ローリングストック法を導入する
  • 防災備蓄品の管理システムを導入する
  • 専門業者に管理を依頼する

それぞれ詳しく解説します。

ローリングストック法を導入する

ローリングストック法は、防災備蓄品を賞味期限が切れる前に消費し、使った分だけ買い足して補充する管理手法です。
備蓄品が循環するため、賞味期限切れによる廃棄を根本的になくせます。
ローリングストック法は、一般家庭で用いられる方法ですが、企業でも以下の流れで応用できます。

  • 備蓄品の賞味期限を把握する
  • 賞味期限に応じて消費時期のサイクルを決める
  • 消費時期が来たら社員の配布やフードバンクに寄付する
  • 減った分量だけ買い足す
  • 1〜4を繰り返す

また企業の場合、備蓄量も多くなりやすいです。
そのため、見落としを防ぐために期限が近いものから手前に配置するなど、保管方法の工夫も必要です。
管理方法を仕組み化することで、最適な形で備蓄品を処分できるようになります。

防災備蓄品の管理システムを導入する

防災備蓄品の管理システムを使えば、備蓄品の品目ごとに賞味期限を管理できます。
企業の場合、備蓄量も多くなるため、見落としや入力ミスも起こりやすくなります。
管理システムを導入すれば、ヒューマンエラーの削減や、大量の備蓄品の一元管理が可能です。

また、防災備蓄品の管理システムには、賞味期限が迫った食品があると、アラートで通知してくれる機能がついているものもあります。
さまざまなサービスがあるため、自社に必要な機能を洗い出し、最適なものを導入しましょう。

専門業者に管理を依頼する

専門業者に依頼すると、防災備蓄品の管理をワンストップで任せられます。
自社のリソースを割くことなく、賞味期限切れを防げるため、ストレスなく備蓄品の管理が行えます。
専門業者には、以下のような作業を依頼可能です。

  • 在庫管理
  • 賞味期限の確認
  • 入れ替え作業

とくに拠点が複数ある、従業員数が多いなどの企業は、内製管理だとデータの入力漏れや確認ミスが起こりやすいです。
専門業者を頼ることで、担当者の負担を増やすことなく、高品質な管理が可能になります。

賞味期限切れの防災備蓄品の処分方法

万が一防災備蓄品の賞味期限が切れてしまった場合、以下いずれかの方法で処分します。

  • 産業廃棄物として処理する
  • 食品リサイクルで飼料化する

それぞれの内容を詳しく解説します。

産業廃棄物として処理する

企業から出る賞味期限切れの備蓄食料は、原則として産業廃棄物に分類されます。
そのため、自治体や通常のごみ収集業者に処分してもらうことはできず、認可を受けている専門業者への依頼が必要です。
企業が備蓄品を処分する場合、量が多いことが大半なため、業者への依頼費用も高額になります。

また処分時は、容器と中身を分別し、缶詰やパウチ食品は容器を洗浄する必要もあります。
膨大なコストと手間がかかるため、産業廃棄物にならないように、日頃から備蓄食品の管理と処分のフローを最適化しておくことが大切です。

食品リサイクルで飼料化する

賞味期限が切れた備蓄食料も、食品リサイクルによって有効活用できる可能性があります。
食品リサイクルは、食品を可能な限り環境に負荷がない形で再利用する手段のことです。
具体的には、以下のような活用方法です。

  • 家畜の飼料
  • 農作物の肥料

とくにアルファ化米やパン、ビスケットなどは飼料化しやすい食材であるため、食品リサイクルできる可能性が高いです。
しかし食品リサイクルの際は、対応できる業者を探す必要があり、業者ごとにさまざまな制約があります。
多くの食料は産業廃棄物となってしまうことを理解し、賞味期限前に処分する意識を持ちましょう。

防災備蓄品の管理を見直して賞味期限切れによる廃棄処分をなくそう

防災備蓄品は、賞味期限が切れる前に処分することが大切です。
期限が過ぎた食品の大半は産業廃棄物として処分することになるため、コストや手間がかかります。

一方、適正に管理された賞味期限に余裕がある備蓄食料は、社内配布やフードバンクへの寄付などが可能です。
社員への還元や社会貢献につながり、社員の満足度や企業の信頼性の向上が期待できます。

備蓄食料の賞味期限切れを防ぐには、管理方法の最適化が不可欠です。
ローリングストック法や防災備蓄品管理システムの導入、専門業者への依頼など、自社に最適な方法で管理体制を整えましょう。

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